特定技能外国人中途採用ノウハウ

受け入れイメージ

特定技能外国人の受け入れイメージとして、次のとおり記載しますが、実際には「自社で検討・決定する事項(雇用条件や雇用する人材他)」「用意・作成する書類」「出入国在留管理局(入管)への申請」「受け入れ準備」等、多岐に渡り煩雑になります。 「登録支援機関」は、受け入れ企業様(特定技能所属機関)が実施しなければならない「特定技能外国人に対する支援」の委託を受けるという限定された立ち位置となりますが、可能な限りのサポートをさせていただきます。 まずは当社にお問い合わせいただけましたら、わかりやすくご説明させていたします。

①自社(事業所)が特定技能外国人を受け入れ可能か確認

在留資格「特定技能」の適切な運用を図るため、分野ごとに所管省庁・受入企業・業界団体・関係省庁等を構成員とする「協議会」が設置されており、特定技能外国人を雇用する企業に協議会への加入が義務付けられています。例えば「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」の場合、対象となる産業分類(事業所で何を製造しているか、によって判断されます。出荷額の多寡は問いません)に該当する事業所のみが、製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会(協議会)へ入会でき、この入会審査に合格しないと入管への当該分野での特定技能在留資格が許可されない仕組みになっています(許可後の入会でもよい分野もあります)。 <参考> 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会

②雇用条件の決定

特定技能外国人の雇用条件(報酬額)は「日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上」という大前提があります。技能実習を修了し、そのまま同じ会社・仕事内容で特定技能に資格変更し引き続き就労する場合、当該人材は(技能実習で3年在籍していれば)同じ職場で働く日本人がどのくらいの給料をもらっているのか、未経験の新入社員がどのくらいの給料で入社してくるのかといった情報は入手していることでしょうから、見合った雇用条件ではないと転職できることを盾に交渉をしてきたり、あっさり他社に転職しかねません。外部から採用する場合も、より良い条件(基本給・ボーナス、寮費等の会社負担等)の会社に応募が集中する傾向が顕著になっており、最近は日本人より手厚い待遇で特定技能外国人を採用しているケースも見受けられます。雇用する側にとっては悩ましいところではありますが、よく検討してご決定をいただければと思います。

③受け入れる人材の決定

「技人国」や「家族滞在」での来日であっても、良い会社に就職できない可能性もあります。そのときのために「特定技能」で就労するための評価試験に合格しておくことをお勧めします。「飲食料品製造業」や「外食業」「介護」「ビルクリーニング」「宿泊」といった職種は比較的試験が簡単で、就職先も多くおあります。これまで最長5年だった滞在期間も延長され、家族滞在も認められる見込みです。

④支援の開始

特定技能(1号)は、所属機関(受け入れ企業)又は登録支援機関への委託により、人材に対し出入国在留管理局(入管)で定められた内容の支援をおこなうことが義務付けられています。この「支援」を自社(受け入れ企業)で実施すれば、外部(登録支援機関)に委託する費用は発生しませんが、人材の紹介や受け入れ時の在留資格申請や受け入れ後の入管への届出をはじめとした諸手続きのサポートといった、人材への支援以外の業務もおこなう登録支援機関も多くあります。「支援」は自社でおこない、在留資格申請等はお付き合いのある行政書士先生に依頼するというパターンも聞きますが、行政書士先生は人により得意不得意の分野があり、また在留資格申請でも特定技能は提出書類の内容が煩雑ですので、専門知識を持ったスタッフが在籍する登録支援機関に委託をされるほうが、結果的に効率的に進められるかと思います。

⑤出入国在留管理局(入管)等への申請~受け入れ

在留資格の申請は、形式上本人(入社する人材)がおこなうかたちとなっておりますが、特定技能の申請の場合、登録支援機関の指示にもとづき進められるのが無難かと思います。最終的には本人または(本人が海外にいる場合等は)代理人=受け入れ企業の役職員=の申請を登録支援機関等が取り次ぐというかたちになります。慣れないと受け入れ企業が用意する書類をどこにどのようにして取得すればよいのかわからなかったり、運悪くサポートしてくれると思っていた登録支援機関のスタッフも知識が薄かったりすると大変な苦労をします。入管の審査期間はケースバイケースですが、概ね2ヵ月程度は見ておいたほうがよいかと思います。採用決定後、申請書類を準備する期間、他社や海外から入社する場合には在留許可後の準備期間も必要ですので、余裕をもったスケジュール管理が必要です。(技能実習から特定技能への資格変更の場合、技能実習の在留期限までに特定技能の在留資格許可がおりないと、許可がおりるまでの間、就労することができなくなってしまいます[在留期限までに申請をおこなえば日本に滞在することは可能です])。

⑥入社後の支援及び定期的な入管への届出

 技能実習生は「実習であり労働者ではない」ということになっておりますが、特定技能外国人は「労働者」です。必要な支援(主に私生活の部分になります)は支援計画に基づいて実施するとして、仕事のほうは賃金と同様に「日本人と同等以上」の働きをしてもらいたいものです。そうは言っても多くの特定技能外国人は流暢に日本語を使えるわけではありませんので職場の日本人社員の方も多少の苦労はお含みおきをいただかなければなりません。あとは、最近の日本人の若者以上に、気に入らなければすぐに「辞めてやる(転職してやる)」と考えてしまう者も多いので、気をつけなければなりません。

受け入れ企業は「受入れ・活動状況」「支援実施状況」について年4回、定期届出がおこなうほか、特定技能外国人や登録支援機関に変更事項が発生した際にも随時届出が必要です。この作業は「所属機関」がおこなうもので「登録支援機関」への委託内容に含まれていません。

<参考> 届出手続
特定技能制度の届出について説明した広報・周知用リーフレット_出入国在留管理局.pdf PDFファイル 275.6 KB